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mograg gallery & Aquvii AAT SHOP

mograg gallery & Aquvii AAT SHOP
23/02/2017 Keita Nohara

アートを楽しみ、もっと身近なものと感じられる空間

今回伺ったのは新御徒町駅から徒歩1分のところにあるmograg gallery & Aquvii AAT SHOP(以下、mograg galleryと表記)。

予てからお付き合いのあるAquviiがきっかけでこのギャラリーを筆者は知ることとなった。

 

mograg galleryのコンセプトは“日本のロウブロウアート”の提案。

ロウブロウアートとはアメリカの西海岸発祥のアートのジャンル名で、日本ではあまりなじみのない言葉だが、現地ではアートピースはもちろんのこと、ポスター、コミックス、タトゥ、トイ、グラフィティ、スケーターなどのさまざまな形態で、シンプルにカッコイイ絵を“大衆の芸術”として楽しんでいるマーケットがあり、そのうちの何名かのアーティストの市場価値は、いまやハイアートのトップランナーと肩を並べるほどのもの。

mograg galleryはこのようなもっと気軽にアートを楽しめる、そしてダイレクトにアーティストをサポートできる場として、このギャラリーを全てのアートファンへ解放している。

今回、インタビューにご協力いただいたのはアーティストでありmograg galleryを運営している沖冲.さん。

沖冲.さんの経歴やmograg galleryの歴史について話していただいた。

「2008年2月に国分寺で、ぼくとオーナーの太田素子が住んでいた自宅のガレージを解放して『mograg garage』として6年間、年間9組のアーティストの展示を開催してきました。また、次年に前年の9組+αで毎号テーマに基づいた新作を発表してもらうアートブック『mograg』(vol,04まで発行)を出したり、アートフェアなどの様々な外部企画に参加したりする中で、日本のアートシーンや出版の現状などを実地で知っていきました。そこから得た情報などをポッドキャスト『mogragRADIO』で配信したり、まわりのアーティストたちとシェアしながら、少しずつmograg独自のアーティストネットワークを構築し、彼らと共に一昨年の7月より現在の場所で、新たに加わる作家やお客さんを巻き込みながら独自路線でのギャラリー運営を行っています。

沖冲.としてはこの9年間は活動の半分以上をこのギャラリーに費やしていたので、それまでと比べると明らかに制作、発表の両面でペースダウンしてはいますが、もともと自分が真にやりたいと思えるギャラリーを作るのが目的だったので、来年あたりここで個展をして再デビューを果たす予定です。」

 

更に、「日本では、ギャラリーとは主に作品を鑑賞に行く場所であって購入する場所ではない、かのようなイメージを持たれている人が多いように感じます。でもそれでは当然アーティストは食べていけませんし、発信基地としてのギャラリーも継続していくことができません。

そこで、古雑貨、 アクセサリー、プロダクトなどを中心に展開するアパレルショップ“Aquvii”のアートライン『AAT』とギャラリー空間をシェアすることで、ここは何かしらおもしろいものが手に入る場所、その選択肢の一つとしてアート作品がある、という状況を作りたかったんです。この計画はうまくいっていて『このギャラリーでアート作品を初めて買った』というお客さんが多いことが私たちの自慢できるポイントです。」とAquviiと共にギャラリーを運営している経緯も付け加えてくれた。

 

mograg galleryとAquviiの出会いは、Aquviiが主催するライブペイントのイベントにmogragディレクターの沖冲.さんをアーティストとして出演依頼したことが出会いのきっかけ。その段階ですでにmogragは始まっていて、その後、ハコ同士、あるいはアーティストとして様々な企画を開催しつつ今に至ようだ。

 

ギャラリー名の由来について聞いてみると、「“mogra(モグラ)”と“rag(ラグ)”を掛け合わせた造語です。モグラは文字通りアンダーグラウンドの意味で、ラグは“ラグドール”という英語があるのですが、子供の頃から大切にしていて大人になってもそれがないと眠れないくらい毎晩抱いているボロボロのぬいぐるみのことを言います。つまり、『今はまだ世に知られていないが、自分にとってずっと大切に思えるくらいの作品に出会える場所』という意味で“mograg”と名付けました。」と教えてくれた。

 

「立地に関しては、国分寺で6年間、完全D.I.Yでやれるところまでやったと思い引越しを決意した時に、たまたま条件にあった物件が見つかったというのが本当のところだが、後付け的には、東京藝大(ハイアート)がある上野と秋葉原(オタクカルチャー)の間の御徒町からロウブロウアートを発信するという立地になっています。」と、今のギャラリーを構える場所についても話してくれた。

常に、様々なアーティストが展示をしていて、展示内容は基本的には沖冲.さんがやりたい作家を太田素子にもちかけ、二人で時期などを相談して、作家にオファーする流れが多い。

その前後の展示の流れと異なる作家を配置することに気を配っている。

「ギャラリーができ得る最大の表現は展覧会のブッキングだと考えていて、その前後の展示の流れと異なる作家を配置することに気を配っています。通年でどのような展覧会の流れを組んだかを見ると、ぼくたちが提案したい“日本のロウブロウアート”がどういったものなのかが理屈じゃなく分かっていただけると思います。そのことによって、ある一つの展覧会でmograg galleryを知ってくれた人が何度か足を運んでもらううちに、色んな種類の作風をmograg galleryという基準のもとに並列的に楽しむことができることが重要です」と、沖冲.さんは語る。

 

 

今回、取材に伺った日は『NEW SCROLL –新掛軸-』が始まったばかりで17組ものアーティストによる作品を拝見することができた。

「mogragとAquviiが共同でギャラリーを運営する際の最大の利点である“展覧会をプロダクトに落とし込む”というコンセプトをカタチにしたものです。

過去にも、mograg galleryでの展示作家のグッズをAquviiが制作して同時展開する、というプロダクトがいくつかありましたが、今回はプロダクトが先行して展覧会を作っていく、という形態の展示になっています。

今後も、この『mograg gallery & Aquvii AAT SHOP』ではこのような展開を推し進め、“この場所でしか手に入らない”というイベント性を備えた場所作りをしていきたいと考えています。」と、『NEW SCROLL –新掛軸-』について語ってくれた。

最後に、ギャラリーについて沖冲.さんが話してくれた。

「アートは小難しくアタマで考えるものではなく、もっと楽しいものです(もちろん思考を巡らせまくる楽しみ方もあるとは思いますが)。気になる作家の展覧会に足を運べば、その中に必ず一点は自分と響き合う作品があるはずです。その作品がもしも自分の手に届く範囲の価格だった場合は、ぜひご購入ください。なぜなら、それはとても限られた可能性の果てにあなたの目の前に現れた作品だからです。どうやって飾ればいいか分からない等の質問はいつでもお受けします。自分の生活空間にアート作品を掛けることの楽しさをぜひ味わってみてください。

また、週末などに作家が在廊している際は、気軽に話しかけて仲良くなってください。夕方くらいから缶ビール開けだしている日もあります。Mograg galleryはかなり砕けた雰囲気のギャラリーなので、ぜひお近くにお越しの際は気軽にいらっしゃってください。お待ちしています。」

【店舗情報】

mograg gallery & Aquvii AAT SHOP

 

・住所、お問合せ先

〒111-0041 東京都台東区元浅草1-5-1

TEL:03-5830-7647

Web:http://mogragaquvii.com/

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